当院は「五十肩」と整形外科で診断された患者様の来院が多いです。
実際の問診、触診、可動域検査などでは五十肩の症状に該当する方は少ないです。
おそらく10人中3人ぐらいだけが五十肩で残りの患者様はインピジメント症候群になります。
インピジメント症候群とは・・・。
インピンジメントとは日本語に訳すと「挟み込み」という意味です。
つまり、肩関節で何かが挟み込まれたような状態になり痛みが生じる障害です。
では何が挟み込まれたような状態にしてしまうのでしょうか。
大きく関わってくるのは上腕骨頭と肩回旋腱板(ローテーターカフ)です。
ボールを投げる・ラケットで打つ・スパイクを打つなど、肩を90度以上横に上げた(外転)状態から腕を後方から前方にひねる(外旋から内旋)動作を繰り返すことで、上腕骨頭が前方に押し出され、烏口肩峰靭帯・肩峰・烏口突起で形成される鳥口肩峰ア-チなどとぶつかり合います。
その結果、肩峰下滑液包や上腕二頭筋腱の炎症や棘上筋の損傷などの肩回旋腱板の炎症・損傷・断裂を生み、痛みが生じます。
重篤な場合、回旋腱板にまで障害が及ぶと夜間痛が生じる場合もあります。
インピンジメント症候群も総称であり、痛みの場所を特定するものではありません。